肉茶漬け

2021.03.24 | 未分類

いつもお読みくださりありがとうございます。

桜咲く季節になり、お客様の中にもご卒園やご卒業、など春は出会いの季節とともに、新たな門出のハレの日が多い季節となっております。

そんなお客様にも満足いただけるように、幸楽苑ではご予約の際からお客様に相応しいテーブルコーディネートや空間作りに気をつけております。

最近お客様にいただくご注文で、『肉茶漬け』をご要望いただくことが多くなっております。

一言『肉茶漬け』と申しましても簡単にできるだろうとお思いの方も多くいらっしゃるのではないかと思いますが、それは実に手数がかかっております。

まず出汁をひくことから始まりますが、南部鉄瓶でふつふつと湯を沸かします。

南部鉄瓶だけではありませんが鉄器でお料理すると鉄分が補給できると言われておりますが、それだけではございません、鉄瓶で沸かしたお湯はなんともまろやかで美味しいお湯ができるのです。

そのお湯を使い利尻産の昆布で丁寧に旨味を引き出します。これには身長差と繊細さが必要な作業で、一定の温度を保ちつつ沸騰させてはいけません。

その丁寧に引いた出汁ができたら、今度は安曇野産の山葵を皮を剥いて専用の銅のおろしきでおろします。

『山葵は笑いながらすれ!』という言葉があるくらいで力ですってはいけません。丁寧におろしたら、今度は包丁でしっかり叩きます。山葵の細胞を細かくすることでなんとも言えない良い香と辛味が引き立ち、最高の山葵が出来上がります。

そのほかいくつもの手数をかけて完成する珠玉の一品が『肉茶漬け』なのです。

美味しさの向こうに広がるニヤッとする大人の瞬間。

その瞬間こそが美味しい時間なのです。

我ながらここまで手数をかけたものが茶漬けとはどうかと思いますがこれも焼肉料理の遊び心と思っております。

 

美味しさから広がる幸せを皆様に。